オーラルフレイル ORAL FRAILTY
オーラルフレイルとは
オーラルフレイルは「口腔の(オーラル)衰え(フレイル)」を意味する言葉です。心身の老いは感じるけれど介護は必要ない。まだ大きな病気にもなっていないなど、いわゆる健康と障害の中間の状態を指します。
食べこぼしの症状が見られる、固いものが噛めなくなり、むせることが増えた。さらに、舌が回らずに滑舌も悪い状態が見られる場合、オーラルフレイルの可能性があります。将来的に健康で自律した生活を維持していくためにもフレイルの予防をしていくことが必要です。
このようなお口の
変化はありませんか?
Check
- むせる・食べこぼす
- 食欲がない・少ししか食べない
- やわらかいものばかり食べる
- 舌が回らない・滑舌が悪い
- お口が乾く・ニオイが気になる
- 歯が少ない・あごの力が弱い
些細なお⼝の衰えは
全⾝が衰えるサインです
オーラルフレイルを放置すると、食べて摂取できる栄養が偏り、食事の楽しみや体力も減退します。またお口の機能低下によって、発音や呼吸などの機能に影響を及ぼし、外出や運動、人と会うことがおっくうになっていきます。これが運動不足による体力低下や精神的な老化につながり、生きる意欲や活発さの低下という悪循環につながります。
MEASURES 当院でのオーラルフレイル対策
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口腔機能検査
- お口の乾燥度を測る
- 唇や舌の運動の機能を調べる
- 下の押す力を測る
- かみ砕く力を測る
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管理栄養士による栄養の評価
(費用負担はありません)- 食事の状況を伺います
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身長と体重や筋肉量・
脂肪量などを測ります
健⼝寿命を延ばすためには
⼤切な3項目!
- 身体活動
- 栄養
- 社会参加
都筑区の皆様も注意!
要介護認定を受けていない都筑区の65歳以上の方のうち、
口腔昨日に心配がある割合が横浜市平均よりも高く、
都筑区のシニア世代の皆様にとってもオーラルフレイルの予防は
大切と言えます。
- 1半年前と比べて硬いものが
食べにくくなった - 2お茶や汁物でむせることがある
- 3口の渇きが気になる
- 3項目中2項目以上
該当すると答えた割合
TREATMENT 治療内容について
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ブラッシング指導
患者さんのお口の中は一人ひとり違います。歯ブラシの選び方や当て方、動かし方だけでなく、患者さんのお口のケアに必要なデンタルフロスや歯間ブラシの使い方、注意点などをご説明します。毎日のセルフケアを正しくできることが、お口の中を良い状態に保つ第一歩です。
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PMTC
PMTCとは「Professional Mechanical Tooth Cleaning」の略で、歯科医師や歯科衛生士(Professional)が専門の機械を使って(Mechanical)歯面(Tooth)の清掃(Cleaning)を行うことをいいます。患者さんの口腔内を良い状態に保ち、むし歯や歯周病の再発の防止を目的としています。
毎日のセルフケアでは落とすことができない着色(ステイン)や歯石だけでなく、むし歯や歯周病の原因となるバイオフィルムや、歯ぐきの内部(歯周ポケット)の1~2mmほど内側のプラーク(歯垢)の除去が可能です。 -
歯周検査
歯周病は、私たちの目では見えない歯周ポケットの奥深くで進行し、重症にならないと痛みや症状が出にくい病気です。定期的な検査を受け、事前に予防を行うことをおすすめします。
歯周病の検査は、プローブという針状の特殊な器具を使って歯周ポケットの深さを調べるプロービング検査や、X線によって歯を支える歯槽骨の状態を調べるレントゲン検査、磨き残したプラークの付着状況を知るために染色液での歯の汚れの染め出す検査などがあります。 -
3DS
唾液検査をおこなった結果、むし歯菌や歯周病菌が多く(お口の中の細菌の量が0.2%以上)、除菌が必要と判定された方には、3DS(Dental Drug Delivery System)という除菌療法もおこなっています。
お口の中の細菌を除去し、善玉菌を増加させ、歯周病の原因そのものを治療するように開発された新しい技術です。この治療を繰り返す事で、細菌が少ない状態を維持できます。
MTM(メディカルトリートメント
モデル)について
メディカルトリートメントモデルとは、「医学的な治療モデル」という意味です。従来、歯科では根本的な原因を明確にして治療するのではなく、まず削って埋めての繰り返しが行われてきました。これは医学的と言えるでしょうか。
その結果、歳月を経て多くの歯を失うケースが多かったのですが、歯科も医学的な見地から検査で患者様の状態を正確に把握し、リスクアセスメント(むし歯や歯周病になるリスクの評価)を行い、原因を特定したうえで症状を軽減してゆくのがMTMです。
治療後も、メインテナンスによって再発の予防と獲得した健康の維持を行っていきます。MTMに基づいた治療によって、結果的に、生涯自分の歯で食事し、おしゃべりし、微笑むことにつながっていくのです。主役はあなた自身です。我々歯科医師、歯科衛生士、コデンタル(歯科医療従事者)はあなたのサポーターです。
歯科医院は歯を削るためだけの医療を提供する場所ではなく、常にあなたの歯を守り、少しでも長く自分の歯を健康に保つお手伝いをいたします。
FLOW 治療の流れ
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初診
あなたの歯とお口の悩みやご希望をお聞かせください。当院では、初めて来院された患者様に、丁寧なご説明をせずに一方的に決めて治療を開始することは一切いたしません。まず初めに、当院のスタッフが患者様のお話をうかがいます。
現在、どのようなことでお困りなのか、どのような治療を希望されているのか、優先順位は金額・機能・見た目のうちどれなのかなどについて、じっくりご要望をお聞きします。 -
検査
患者さんのお口の状態を診断するために4つの検査をいたします。
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エックス線検査
むし歯や歯周病の程度や進行具合などをくわしく調べることができます。まだ症状が出ていなかったり、気づきにくい場所にあったりするむし歯や歯周病なども、レントゲンを撮ることで、検査することができます。口の中の状態をくわしく知るために、症状が出ている歯以外のすべての歯のレントゲン写真を撮ることも多々ありますのでご了承ください。
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お口全体の写真撮影
お口の中は自分ではなかなか見えにくいものです。お口全体の写真を撮ることで、ご自分の口内をはっきり見ることができ、状態を詳細に把握することができます。
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歯周病の検査
歯周病になっているところは、歯と歯ぐきの溝(歯周ポケット)が深くなっています。その溝が浅くなるよう改善していくことが治療の第一歩です。まずは、歯周病の検査として、1本1本の歯と歯ぐきの間に検査器具を入れて、歯ぐきが歯から剥がれていないかを診査します(歯周ポケットの測定)。歯周病の診断には欠かせない検査です。
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サリバ(唾液)テスト
むし歯や歯周病は、1つではなく複数の原因が重なり合って起こる生活習慣病です。原因は人それぞれで異なりますので、予防するには原因を明らかにし、その原因を一つ一つ減らしていくことが必要です。サリバテストとは、唾液の状態を調べ、むし歯や歯周病の原因を特定するための検査です。
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エックス線検査
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応急処置
痛み等の主訴の改善を迅速に行います。痛みがある時は、まず痛みを取り除きます。痛みがひどい時は、その旨を受付にお伝えください。
※症状によっては一度の治療で痛みが消失しないため、処置が2回以上かかかることもあります。 -
検査結果説明
患者様の口内の状態をご説明し、今後の治療計画を相談します。上記の4つの検査結果を見ていただきながら、現在の口内の状況と、むし歯や歯周病の予防について歯科衛生士が詳しくご説明します。”むし歯になりやすい”、”歯周病になりやすい”という状態は、ひとりひとり原因が異なります。むし歯も歯周病も、感染症であると同時に、生活習慣病だからです。
”サリバテスト”の結果などから、患者様のライフスタイルやご希望に合わせて今後どのような”治療”や”予防”が必要かを一緒に考えていきましょう。歯周病にかかっている方は、まず歯周病を治すために、歯茎(歯周ポケット)をきれいにする処置を始めます。むし歯になっている方は、むし歯の治療や、むし歯の予防から開始します。 -
歯周病治療
歯周病は自覚症状がほとんどないので気づいていない方が多いのです。歯周病とは、歯ぐきに炎症がある状態で、細菌の毒素によって歯を支える骨がとけてしまう病気です。歯周病は自覚症状が出にくく、病的状態に気づいていない方が多いのですが、 実際は多くの方が歯周病にかかっているのが現状です(40代以上の80%が歯周病になっているという統計があります)。
歯周病になっていると、むし歯の治療をしても出血して詰めものや被せものがはずれやすくなったり、麻酔が効きにくかったり、治療後の痛みも出やすいので、当院では、むし歯があっても痛みがなければ、先に歯ぐきをひきしめるための治療をします。その際、歯磨きのチェックや練習も行います。 -
むし歯治療
歯ぐきの状態を改善したあとにむし歯の治療を行います。歯ぐきの状態が良くなったら、むし歯の治療を開始します(もちろん痛みの原因になっているむし歯は最初に治療します)。できるだけ痛みがなく、安心して治療を受けていただけるよう、丁寧な治療を心がけております。治療の際に麻酔が必要な場合は電動の注射器と細い針を使用する ので、刺した時の痛みを最小限におさえられます(針が細いと痛くないメカニズムは、蚊に刺されても痛みを感じない場合と同じです)。
また、詰めものにはいろいろな種類がありますので、詰めものや被せものをする場合はどのようなものにしたいか選択していただけます。カウンセリングを行って、できるだけ患者様のご希望にそえるよう心がけております。銀歯だけではなく目立たない白い詰めものも選ぶことができます。 -
治療完了と予防
治療終了後は予防に重点を置きます。治療が終わってからが予防のスタートです。今後は歯が悪くならないように、定期的に検診、クリーニングを受けていただくことが大切です。
もう痛い思いや嫌な思いをしないように、患者様が予防を目的に気持ちよく通っていただける医院を私たちは目指しております。各患者様のリスクに応じてご来院の間隔を担当衛生士が決め、メインテナンスしていきます。
予防歯科著書について
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予防歯科医療「最前線」
(小学館)「予防歯科に取り組む全国900歯科医院リスト」紹介されました。
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歯界展望
「3DSを日常臨床に活かすには」
(医歯薬出版)歯科医師が正しい除菌療法を、日常の臨床に正しく実践できるよう執筆いたしました。
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デンタルダイヤモンド
(デンタルダイヤモンド社)民の健康支援を目的とした、予防歯科を中心とした歯科医院運営について紹介されました。
定期健診の内容 Medical checkup
- ホームケアのチェック
- 健康状態や生活習慣のチェック
- 徹底的なクリーニング
- メインテナンス間隔の決定
DENTAL HEALTH
歯の健康のためには
定期健診が大切です
「むし歯や歯周病になる前に予防する」が、当院の開業当初からのモットーであり、現在の歯科業界のスタンダードです。歯周病菌と全身疾患の関連性が明らかになったことにより、「お口の中の健康を保つ=全身の健康を保つ」重要な要素になっています。毎日のセルフケアがお口の中の健康を保つ基本ですが、歯周病のケアは毎日の歯磨きでは落とすことのできない歯石の除去や、歯周ポケットの中のクリーニングが必要です。
歯周ポケット内の歯周病原菌であるグラム陰性菌群は、歯科衛生士のクリーニングでいったん減少しても、3〜4ヶ月で元の細菌叢に戻ってしまいます。そこで、歯周病の再発を予防する為に、メインテナンス・プログラムをご提案いたします。患者さんのお口の状況を継続的に対応するため、当院では担当歯科衛生士制を採用しています。
また、最新の機器を用いたより効果的なバイオフィルムの除去や、「歯周病菌の低減療法」をはじめとした、最新の歯周病予防プログラムも実施しております。当院で10年間継続的に歯のクリーニングを受けた成人107名(平均年齢51.9歳)のデータですが、10年間での歯の喪失は平均0.35本です。全国平均喪失歯の約2.3本より確実に少ないことが証明されています。
また、当院では、「オーラルフレイル(口腔の虚弱・口の衰え)」の無料検診を行っております。早期発見・早期治療を行うことが予防と改善につながります。気になる症状がありましたら早めにご相談ください。日々のセルフケアと、歯科医院での定期的なメインテナンスを両方続けることが、お口の中の健康維持やご自身で気づかない異常や変化などの早期発見にもつながります。
各種歯科健診実施医療機関 | |
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実施医療機関一覧 |
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